キーワードのマッチタイプによって生じるクリック率の違いは、品質スコアに影響するのか?

4月 6, 2009 | 品質スコア, 検索ネットワーク

以前、セミナーの講師をしていた時に、『完全一致で設定したキーワードの方が、クリック率が良いので、完全一致でキーワードを設定した方が、品質スコア的には良いのでは?』という質問を頂きました。

確かに、理にかなっている質問ではある。でも残念ながら、部分一致やフレーズ一致で設定したキーワードのクリック率は、その選んだキーワードが完全に一致して検索された場合のクリック率が品質スコアに反映されています。

つまり、『液晶 テレビ』というキーワードを部分一致で選択した場合、『32型 液晶 テレビ』と検索された場合にも広告が表示される可能性はあるのだが、『32型 液晶 テレビ』で検索された時のクリック率は、品質スコアには反映されず、『液晶 テレビ』で検索された時のクリック率のみが、品質スコアには反映されます。

なので、クリック率に関して言えば、マッチタイプはどちらでも良いのです。

ただし、検索されたキーワードが、設定したキーワードと完全に一致すると、多くの場合に品質スコアは高くなることがあります。

どういうことかというと、『液晶 テレビ』というキーワードを部分一致で設定していたのに、『液晶 テレビ チョコレート』などといった、ちょっと関連性の薄そうな検索がされた場合、広告が表示されない可能性があるということです。

なので、『液晶 テレビ チョコレート』でも、広告を表示させたい場合は、部分一致・完全一致に関係なく、このキーワードも設定しておく必要があります。

この話と、キーワードのマッチタイプによって生じるクリック率の違いは、品質スコアに影響するのかどうかというのは、別問題なので、誤解しないでください。

つまり、

・キーワードのマッチタイプで生じるクリック率の違いは、気にしなくていい
・広告を出したいキーワードに関しては、部分一致・完全一致に関係なく、怠けずに設定しておく

という2点を押さえておきましょう。

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コメント (5)

 

  1. 桶狭間 より:

    鷲見さま

    はじめまして。いつも貴方の記事を拝見し、勉強させていただいております。
    有益な情報をありがとうございます。

    貴方の記事について質問がございまして、初めてコメントを書かせていただきま
    した。大変恐縮ながらご教示いただければ幸いです。

    ——————————————————-
    部分一致で設定したキーワードも、クリック率や品質スコアなどを計算するとき
    は、完全一致で表示された時のデータを利用しているので、キーワードのマッチ
    タイプは品質スコアに影響を与えることはありません。
    ——————————————————-

    とのことですが、

    例えば、同一キーワードにおいて、完全一致と部分一致、両方のマッチタイプで入札している場合、部分一致で入札しているキーワードは、完全一致で検索された際に表示されることは基本的にはないと思いますが、言い変えると、このような運用をしている場合において、部分一致で入札されているキーワードは、品質スコア決定の重要な要素となる「完全一致での表示・クリック」が発生しないことになります。この場合、部分一致のキーワードの品質スコアは、どのように
    決定されるのでしょうか?

  2. グーグル アドワーズ ラボ より:

    桶狭間さん

    コメント頂き誠にありがとうございます。

    言いたいことはずごく分かります♪♪♪

    でも、「完全一致での表示・クリック」は、完全一致で設定してあるキーワードで表示されるので、それが採用になります。

    アカウント内で、同じキーワードを完全一致と部分一致(若しくはフレーズ一致)で設定してあるキーワードの品質スコアみると、全く同じ数字が採用されているのが分かるかと思います。

    … グループが違って、広告文が違う場合は…

    どうなるんでしょうね?

    実験してみてください。(多分同じになると思いますが…)

    これを使うと、もしかしたら広告文に関連性が無いのに品質スコアだけが高いなんていう、この矛盾を利用したスパム行為ができちゃったりして… 大笑

  3. 桶狭間 より:

    鷲見さま

    ご返答ありがとうございます。

    ——————————————————-
    アカウント内で、同じキーワードを完全一致と部分一致(若しくはフレーズ一致)で設定してあるキーワードの品質スコアみると、全く同じ数字が採用されているのが分かるかと思います。
    ——————————————————-
    確認してみたところ、おっしゃる通り、部分一致と完全一致のスコアが全く同じに推移しておりました。

    今回挙げてくださった記事の内容を知っているのと知らないとでは、運用の仕方や考え方がずいぶん変わりますね。今回も大変勉強になりました。

    ご丁寧にご教授いただき、誠にありがとうございました。

  4. kamikou より:

    鷲見様

    いつも興味深く読ませて頂いています。

    品質スコアについての記事をいくつか書いていらっしゃいますが、
    アカウント全体のスコアについてはどうお考えでしょうか?

    アカウントを新規に開設して掲載を開始する直後などは、
    インプレションが多く、CTRの低いキーワードを掲載して、
    アカウント全体のCTRが低くなった場合には、
    本当はCTRが高く、後々スコア10を獲得できるキーワード
    であってもスコアが異常に低くつく傾向があるという印象を
    個人的には持っています。

    ぜひ、『品質スコアの事実』でも特集して頂きたいです!
    宜しくお願い致します。

  5. グーグル アドワーズ ラボ より:

    kamikouさん

    コメントありがとうございます。

    アカウント全体のスコアという表現が適切かどうか分かりませんが、履歴に関して言えば、例えば 1 年前の CTR と 1 ヶ月前の CTR では、1 ヶ月前の CTR に比重を置いて計算されます。(最近の CTR により多くの比重が置かれるという意味です。)

    もちろんこれは、検索ネットワークだけの話で、コンテンツネットワークの場合は、広告が掲載されるサイトや同様のサイトでの評価なので、アカウント全体には影響しませんが…